恋愛もシステム管理も相性は大事

合コンなのか、お見合いなのか、それとも街角でぶつかって道に散らばった荷物を拾ってあげようとしてお互いの手と手が触れ合って「あっ」なのか、きっかけは様々ですが人は恋愛を始めます。歌にもあるように、何がきっかけでどんなタイミングでふたりは恋を始めるのか分かりませんが、お互いを気に入った男女は恋に落ちるんです。「あ、この人、いいかも」と思うわけです。その際に、最も重要なのは相性。その後、ふたりが長くつき合えるか、すぐに別れてしまうか、それを決めるのもすべて相性です。周りから見て「どうしてあの二人がつき合っているんだろう」というカップル、時々、居ますよね。もしかしたら、本人たちも「?」と思っているかも知れません。良いパートナーであり続けるためには、それほど相性というものは大切なのです。

 

システム管理においても、この相性が大事です。それは、システムとシステム管理者との相性です。
新卒で社会人経験の無い人はもちろん、社会人経験があってもシステム管理をやったことがない人は、この業務に就いてからしばらくは慣れないこと続きで苦労すると思います。これとは別に、すでにシステム管理者として働いたことがあるのに、なぜか今担当しているシステムでは上手く行かないと言う人が居ます。「このOSのコマンドはほとんど知っていて、以前の職場では自在に使いこなせたのに、なぜか今の職場ではミスすることが多い」、「以前、従事していたシステムの方がユーザー数もデータの量も多くて大変だったはずなのに、なぜか今の職場に来てからの方が上手く運用管理が出来ない」と言った風に、「なぜか」上手く行かないパターンです。

 

こういう「なぜか」上手く行かない場合、信じられない人も居るかも知れませんが、担当しているシステムとシステム管理者との相性が良くないことが原因であることが考えられます。こう言うとすぐに「そうか、相性か」と何でもかんでもこれで片づけようとする人が居ますが、それは間違いです。日々の業務が上手く行かない。だから、業務で使用しているOS、言語、ハード、ソフトに関して自分が不安に思っている分野の研修を受ける。参考書籍を買って勉強する。自宅でもエミュレータなどを使って出来るかぎりのオペレーション演習などをやってみる。もちろん、先輩や上司にも業務のやり方について相談してみる。それでも・・・それでも、上手く行かない場合。その時に疑うべきが「相性」です。

 

私自身も、システムとの相性を感じたことがあります。私は競馬や競艇などいわゆるギャンブルを一切やらないのですが、なぜかこういった賭け事を管理するシステムを担当した時は、上手く立ち回れました。もちろん、トラブルの対応等で苦労することはあったのですが、そういう障害対応にしても日々の通常運用にしても、なぜか上手く遂行できました。検討したアイディアを障害対策に活かせたり、エンドユーザーの使い方を見ていて思いついた仕様検討がシステムに反映されて処理効率が上がったり。打つ手がすべて好結果に結びつくと言うんでしょうか。もしかしたらギャンブルをやらないから、客観的にすべてを観察し、冷静に判断出来ていたのかも知れませんね。


これに反して、「ここ数年、担当している部署が多忙な所ばかりだから、ちょっと休める所に」と上司が妙な気を遣って配置してくれた職場では、まったく活躍できませんでした。システムの規模も今まで担当した中で一番小さく、エンドユーザーの数も少ない。当然、日々の問い合わせもトラブルも少ない。運用は安定している。同僚からも「あそこに配置されたら、しばらくはゆっくりできるな」と羨ましがられた職場でしたが、私にとっては合ってなかったようです。お客様も良い人ばかりでしたが、なぜか「これ」と言った提案も出来ず、システムを進化させるような運用方法も思いつかず。そして、大きな事故になるようなことではなかったにせよ、小さなつまらないミスをポツポツしてしまう。うーん、どうしてなんだろう・・・。と、暫し悩みました。もしかしたら、私には適度にざわついてるシステムの方が相性が良いのかも知れません。

 

特にあなたが社員のマネージメントをする立場であるなら、一度、上手く行かずに悩んでいるシステム管理者とその担当システムとの相性を疑ってみてください。人には出会うべきベストパートナーが居るのです。