教育することのむずかしさについて

出逢った頃と今と、あなたと彼女の間でやりとりされる会話や行動について、気づくことはありますか。改めて見直してみるといろいろ気づくはずです。
「出逢った頃は、こんなちょっとしたことを決めるのにも時間がかかったなぁ」
「あの頃はお互いの育ってきた環境の違いから、ありえないような勘違いをしたなぁ」
今、ツーと言えばカーと言うような2人からは想像できないような、ぎこちなさとチグハグな行動の連続だったんじゃないでしょうか。それが、幾つもの小さなトラブルやハプニングの積み重ねにより、上手くやりとりが出来るようになった。
もともとは他人の2人です。そうなるまでにはそれなりの時間がかかるわけです。

 

システム管理の仕事についても同じようなことが言えます。これは世の中のほとんどの仕事について言えることですが、特にシステム管理のような機械と人間が入り混じった仕事では。つまり、何事も成し遂げるには時間がかかる、ということです。

 

たとえば、あなたと一緒にシステムを運用して行くメンバーですが、彼らを育成するにもそれなりの時間がかかります。着任した日からテキパキ働ける人なんて居ません。その職場、そのシステム特有のルールがあり、それに慣れるまでにどうしても時間がかかります。単にオペレーションを覚えれば出来る仕事ではありません。同じ処理でも状況によって判断することが発生します。間違いなく正しい判断ができるようになるまでには、時間が必要なのです。

 

また、システムを使うユーザーにも教育が必要です。銀行のATMですら、扱い慣れてない老人や外国人にはサポートが必要です。まして、企業の中でしか使われていない専用のシステムであれば尚更です。それなりの期間を費やして、ユーザーがシステムを使えるように教育する必要があります。私は、この「ユーザー教育」もそのシステムの重要な要素であると考えています。教育が充実していないシステムはやがて衰退します。

 

システムを使う側も動かす側も、1日で出来るようにはなりません。教育なくして何も達成されることは無いのです。