古い書物には真理が書いてある 恋愛もシステム管理も

恋愛小説の古典とされるシェイクスピア。あなたは1冊でも読まれたことがありますか? もしくは原作をもとにした映画でもいいです。1本でもご覧になられたことがありますか?
シェイクスピアなんて大昔の作品、読んでも現代の恋愛のたすけにはならないでしょう。
そんな風に馬鹿にしている方もいらっしゃるかも知れません。そういう方にお聞きしたいのですが、あなたは彼女に「女性の気持ちがわかってないよね」と言われたことがありませんか? あるいは「そういうところに気が回らないのがねえ・・・」とやんわり攻撃されたことは?
シェイクスピアの書いた恋愛小説を読めば、もう彼女にこういうセリフを言われることはありません。なぜなら、彼の書いた作品には恋愛における永遠の真理が描かれているからです。何十年、何百年経とうと変わらない真理です。古いからと言って読まないのは間違いです。古い書物だからこそ読む価値のあることが書かれているのです。


システム管理においても同じようなことが言えます。
よく先輩や上司の中に「今更こんな本読んだって無駄だよ」と古いシステム関連書籍をぞんざいにされる方がいらっしゃいます。これは、何とも嘆かわしいことです。
開発言語やOSなどの技術書が、年月とともに古くなり、過去の遺物となるのは致し方ありません。もう現代では使えない技術が書かれているのですから。


これとは別に、システムのあり方、システム運用のあり方、あるいはエンジニアとはこうあるべきである、といったようなことが書かれた書籍があります。こういった本は古いものでも馬鹿にするべきではありません。たとえ何十年前のものであっても。逆に、この日進月歩の情報処理業界において、何十年も無くならずに存在しているのですから、その本には価値があると考えるべきです。


先人たちが書き残したシステムにまつわる様々な書籍には、その時代時代で問題とされたこと、急発展した技術、システム運用上のノウハウなどが記されています。そのまま現代に流用できる内容もあれば、少し応用が必要なものもあります。また、すでに現代では問題とされなくなってしまった「問題」も書かれているかも知れません。
これらは全て貴重な財産です。流用できる技術的な事柄はもちろん、「過去の問題」はそれらがどのようにして解決されて行ったかを知る貴重な資料となります。同じような脅威が自分たちの時代に現れた場合の解決のヒントとなります。


古い書物だからと言って読まないのは間違いです。古い書物にこそ書かれている重要な情報もあるからです。いつの時代にも変わることのない真理。これを読み取れないのはエンジニアとしての資質に欠けていると言ってもよいでしょう。